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生物学論文紹介同人サークル「ハイアイアイ臨海実験所」です。
ここでは、気になった学術論文を紹介したり、同人活動を告知したりします。

2013年11月10日

【新作】ナゾベームTシャツ制作開始!

亀藤です。冬コミに向けて新作鼻行類Tシャツの作成を告知いたします。

ナゾベーム_表.jpg
今回は比類なき博物系Tシャツブランドであるパイライトスマイルさんの協力を得て、とても可愛らしい手乗りヒメナゾベームです。

ヒメナゾベームは最初 Bromeante de Burlas によってナゾベーム属 Nasobema とは別属の Stella matutina として記載されました。その後研究が進み、Stultenによってナゾベーム属に移されますが、その際に何故か Nasobema morgensternii と種小名まで変更されています。この場合、国際動物命名規約の先取権の原則に従いヒメナゾベームの学名は Nasobema matutina (Bromeante de Burlas) となるはずです。

先取権の原則の例外的措置としては有名な例ではティラノサウルスが知られています(その詳しいいきさつはコチラ)。学名の決定においては、ある人物の功績に敬意を表してその人物の名前を入れることがあり、それを『献名』と言います。種小名に献名された場合には最後を『人物名+i(いくつかバリエーションあり)』とする決まりがあります(例えばDarwinの例など)。なので、ヒメナゾベームの新学名 Nasobema morgensterniiは Morgensternさんの何事かの功績に敬意を表した命名であると考えられます。鼻行類の引用文献リストを調べてみると、確かにMorgenstern氏の本が引用されています。

Morgenstern, Chr. (1905) Galgenlieder B. Cassirer - Berlin.

日本語に直すと…
モルゲンシュテルン (1905) 絞首台の歌. カッシーラー社(ベルリン).

鼻行類の序論において、このモルゲンシュテルン氏のナゾベームのことを歌った詩が引用されています。

たくさんの鼻で立ってゆっくりと
ナゾベームは歩く,
自分の子供たちをひき連れて.
まだブレームには載っていない. (注:ブレームの動物誌)
まだマイヤーには載っていない. (注:マイヤー大百科辞典)
そしてブロックハウスにも. (注:ブロックハウス大百科辞典)
それは私の竪琴から
はじめてこの世に現れた.
それ以来(上に述べたとおり),
たくさんの鼻でゆっくりと,
自分の子どもを引き連れて,
ナゾベームは歩く.

おそらくこの詩が鼻行類に関する初めての記述であろうと述べられています。

動物命名法国際審議会による『先取権の原則の例外措置』への強権は、学名の安定性に不都合が生じ、それまで広く一般に受け入れられていたよく知られる学名が、出自の怪しい学名によって覆されることもあり得る場合に発動します。ここではモルゲンシュテルン氏の発見・記述の歴史的重要性を評価して、種小名の変更が認められたのかもしれません。

ちなみに裏面にはハイアイアイ臨海実験所&パイライトスマイルさんによるオリジナル鼻行類フジツボモドキのかわいいイラストが首元にプリントされる予定です。
フジツボモドキ_裏.jpg

そんなわけで新作ヒメナゾベームTシャツもよろしくお願いいたします!

イメージ図
omotemihon.jpguramihon.jpg
posted by 亀藤 at 22:08| Comment(0) | 同人活動 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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