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生物学論文紹介同人サークル「ハイアイアイ臨海実験所」です。
ここでは、気になった学術論文を紹介したり、同人活動を告知したりします。

2016年11月03日

いらすとやのナゾベームイラストについて

ハイアイアイ臨海実験所の職員としていらすとやに突如登場したナゾベームイラストについて触れなければなりますまい。
fantasy_nasobema.png
http://www.irasutoya.com/2016/11/blog-post_1.html
『ドイツの詩人クリスティアン・モルゲンシュテルンの作品「ナゾベーム」に登場する鼻行類と呼ばれる架空の生物のイラストです。』

ナゾベームとは、Naso-はギリシャ語の「nasus: 鼻」に、-bemaはラテン語の「歩く」に由来する学名で、原著ドイツ語版及び思索社版『鼻行類』の表紙を飾った例の4本鼻の動物の属名Nasobemaのことです。

記載文について
『ドイツの博物学者ハラルト・シュティンプケの著作「鼻行類」に登場するナゾベームと呼ばれる生物のイラストです。』
とせず、何故わざわざモルゲンシュテルンの「絞首台の歌」(Morgenstern, 1905)からの引用とするのかはいいとして、イラストそのものの評価をしていきましょう。こちらのイラストは鼻が4本見えることから四鼻類であることがわかります。鼻行類原著によれば、記載されている四鼻類は
ナゾベーム科6種
オニハナアルキ科1種の計7種だとされています。
原著では記載の欠けているものが多く、ナゾベームとオニハナアルキのみイラストを含めた記載があります。今回のいらすとやによるイラストは耳の形からもオニハナアルキ科ではなくナゾベーム科と思われるのですが、ナゾベームにしては尾と手が短いといった特徴があります。原著ではナゾベームは親子連れで餌を食べているシーンの描写があるのですが、こちらの幼獣は手も尾も短く描かれているため、おそらくこちらの幼獣をモデルにしたイラストであると考えられます。

ちなみに、ヒメナゾベーム Nasobema morgenshternii は種小名がドイツの詩人 クリスティアン・モルゲンシュテルンに献名されたものと考えられます。この学名の由来に関しては以下のエントリに簡単にまとめています。
http://hiiaymbl.seesaa.net/article/379884972.html

そして、ちょうど今、全部売れてしまって在庫の無かった比類なき博物系Tシャツブランドパイライトスマイルさんとのコラボ作品「ナゾベームTシャツ」についても再販の声を受けて再生産を開始したところだったのです。今月中にはお届けできると思います。
20161103_nasobema.jpg
ちなみに、こちらの手乗りナゾベームはヒメナゾベームで、その原記載の学名 Stella matutina(日本語で「明けの明星」)から体に鹿の子模様を入れています。たとえば matutinaを種小名として持つ生き物の例として、
ランの一種では http://bit.ly/14yeUPY こんな感じ、
オナガバチの一種では http://bit.ly/16VUPDm こんな感じ。

また、原著には
「ヒメナゾベーム属(Stella)を最初に設定したのはブロメアンテであった。その後ストゥルテンはStella matutinaをNazobema morgensterniiとしてナゾベーム属に入れた。事実、この両属の差はごくわずかで、尾を伸ばすメカニズムが違うだけである。モルゲンシュテルンヒメナゾベームでは、このメカニズムが本来あまり分化していないが、おそらくこれはStella matutinaが地上からあまり高くないところに実る漿果類だけを食べていることと関係があるのだろう。」

とあることから、小型の手乗りサイズであるだろう、そして漿果類(ベリーなど)だけを食すということからイチゴをあしらっています。

今回はカラーを変えてライトブルー(ネイビープリント)とカーディナルレッド(イエロープリント)で作成しています。完成したら改めてご案内いたします。よろしくお願いします。
posted by 亀藤 at 12:43| Comment(0) | 同人活動 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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