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生物学論文紹介同人サークル「ハイアイアイ臨海実験所」です。
ここでは、気になった学術論文を紹介したり、同人活動を告知したりします。

2010年09月16日

【図鑑】ヒラコブシ

沼です。

9月8日夜頃、関東地方を温帯低気圧が通過し、なんだか海がたいそう荒れたようでした。
こういう嵐のあとには、海辺にいろいろのものが揚がります。
そういうのを集める行為を磯乞食といいます。(綺麗な言い方をするとビーチコーミング)

というわけですので、嵐の3日後の9月11日、磯乞食してきました。
名目は「“世を忍ぶ仮の博士課程”の研究材料を得るため」ですが、
研究材料以外にも面白いものがあったら拾う感じで。
これぞ正調磯乞食術。

場所は千葉県の白子町の南白亀川河口付近。九十九里浜の南の方です。

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正調磯乞食術を繰り出すわたくしの図
〔同行したナンシュウ氏(ハイアイアイ臨海実験所・長野支部長)による撮影〕

ここで、いくつか面白そうな生き物を見たり拾ったりしましたので、
何回かに分けてご紹介したいと思います。

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今回はこのカニさん。
萌えキュンすなぁ……。
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posted by 沼 at 01:04| Comment(0) | 生物図鑑 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年07月04日

【図鑑】クロボシウミヘビ3

亀藤です。僕がいつもお世話になっている定置網でまたまたクロボシウミヘビが採れました。


大型の雄成体です。
クロボ~1.JPG

このクロボシウミヘビは雄が大きくなるとウロコに棘状の構造が発達し、鳥肌のようになります。
雄成体~1.JPG
↑雄成体のウロコUP

亜成体~1.JPG
↑亜成体のウロコUP

成体・~1.JPG
↑雄成体と亜成体。小さいとブラックバンドがハッキリしている一方、大きくなるに従いバンド模様もぼんやりしてくるようです。

この大型雄ですが、なんとステキなことに尾にコスジエボシ Conchoderma hunteriを付着させていました。
コスジ~1.JPG

↓コスジエボシConchoderma hunteriのアップ。
コスジ~2.JPG

また、この雄はちょうど脱皮の時期だったらしく、ペリペリと薄皮が採れました。
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脱皮されたらコスジエボシも落ちてしまうのか、それとも脱皮などものともせず付着し続けることができるのか確かめてみようと思い、1個体だけ離れて付着していたコスジエボシの周りの皮を剥がしてみました。
脱皮殻.jpg
うん、やっぱり落ちますね。

山陰地方では昔、スジエボシつきのウミヘビの漂着は大変な吉兆の証であるとされたそうです。南方熊楠が昭和天皇への御進講の際に自慢した逸品の中に、スジエボシ付きセグロウミヘビ標本もあったのだとか。このウミヘビと付着生物の文化的な背景について、当サークルでもたびたび紹介しているフジツボ姫 倉谷うららさんが調べている最中だそうです。現在一般向けの雑誌記事としてまとめている最中とのことですので、詳細を期待したいと思います。

今回僕が入手したものはクロボシウミヘビですが、これもまた吉兆の証。これからきっと何かいいことがあるに違いありません。
posted by 亀藤 at 14:26| Comment(0) | 生物図鑑 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年05月08日

【図鑑】ジンベエザメ

こんばんわ、亀藤です。

亀藤がいつもお世話になっている定置網漁で、今日はこんなものが採れました。

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ジンベエザメ Rhincodon typus

この個体は体長およそ4.8m、ジンベエザメとしては小型の個体です。

とはいえ顔のアップを見ればこの迫力です。
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デカい。


残念ながらブレてしまいましたが、こんな写真も。

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ジンベエ様と泳ぐアカウミガメ。僕もこのアカになってジンベエ様の近くで泳ぎたい。

当サークルをブログで紹介していただいた中川翔子さんの番組『飛び出せ!科学くん』ゴールデン進出初回2時間スペシャルでは、"サメ大好き"田中直樹さんが「ハワイでジンベエザメを捜索して、実際にタッチする」という企画をやっておられました。初回スペシャルでは残念ながらジンベエザメに出会えず、夏にリベンジするとのことでしたが、当実験所も田中さんのリベンジを応援しています。
posted by 亀藤 at 23:46| Comment(0) | 生物図鑑 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年02月16日

【図鑑】鉄バクテリア

こんにちはー沼です。
今回はおうちのまわりの自然のお話をします。

私は群馬県南東部の丘陵部に住んでいます。
家の真南はすぐに小山(斜面)になっています。
この小山、20年くらい前までは、養蚕のための桑畑だとか、栗の木だとかが手入れされていたのですが、
集落の高齢化で養蚕がのきなみ廃業になり、桑の木は伸び放題。また笹が大きく侵入してきて、もうほとんど人の立ち入れない状態になってきています。
このまま遷移が進んでいくんだろうなあ、という感じ。
最近はどこからかイノシシが入ってきて、家の庭に勝手に「ぬた場」作ったりしちゃって、集落のワイルドぶりに拍車がかかってきている感じです。
友達の言葉を借りると、うちの集落は三方が丘陵に囲まれている景色が印象的であり、「秋津島やまと的景観」であるそうです。

2月のある日、家の近所を歩きました。


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家の並びよりちょっと低いところにある、用水路に水がぽたぽた落ちるところ。
うちの庭のぬた場あたりに染み出してきた水が、庭の水路を通り、ここに落ちてきています。
この画像ではわからないと思いますが、水の垂れるところにある石の表面が赤いのです。どう見ても鉄サビの色。
10年くらい前までは、こんな色してなかったんだけどなあ。

思い当たるふしがひとつ。
うちの庭の少し上に、建設業者の埋め立て地があるのです。
埋め立て地といってもそんな広いものではなく、テニスコート2面くらいの面積でしょうか。
そこはもともとあやめ畑だったのですが、その土地の所有者が埋め立て地として転用し、毎晩のようにダンプカーで建設関係の産廃が持ち込まれていました。
今は土と笹に覆われてしまいましたが、けっこうな量の産廃が埋められたはずです。
ちなみに、環境アセスメントもしていなければ、産廃のソーティングも行なわれていません。完全に不法投棄であります。

で、この鉄サビですが、
地下水が産廃ゾーンを通りつつ鉄を溶かし込み、ぬた場で湧水となり、そんで石のところで酸化鉄となって析出したのだな……
と、適当なことを考えたのですが、


RIMG5521s.jpg

よく見たら、鉄サビそのものが石にくっついているのでなく、鉄サビ色をしたドロ状のものが石を覆っていることがわかりました。
どういうこと?
もしかして、生き物?


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うちの庭の水路で撮影。
水路のコンクリートから水が染み出し、そこにやはり大量の鉄サビが溜まっています。
また、油の皮膜みたいなのが浮いています。
産廃の中の油が染み出したということ?
でも地下水が油を溶かし込んで地中を移動するのは不自然に思います。水は油を溶かさないので。


調べてみました。
この鉄サビは、鉄バクテリアの死骸だそうです。
水中に溶けている鉄イオンから水酸化鉄の殻を作るそうな。
バクテリアが死ぬと、殻が酸化して赤い沈殿となる。
水面の油膜みたいなのは、鉄バクテリアの代謝物であるそうです。
ほほー。
全部ウィキペディアの受け売りなのがアレですが、ご容赦を。


まとめますと、
産廃のせいで、うちの庭の湧水が鉄分を多く含むようになった。
その鉄を利用する鉄バクテリアが増えてきた。
こんなストーリーが描けそうです。

しかし
鉄ならいいんですけど、嫌な感じの金属(鉛とかスズとか)も湧水に含まれていそうで、
うーん、やだなあ。

産廃を埋めた業者は、うちの集落の人でして、
面倒事は起こしたくないのですが
匿名でお役所にチクるとか、そのくらいのことはしちゃおうかな。
今後何百年も、産廃の成分を溶かし込んだ水が下流に流れていくのですからね
憂鬱にもなりましょう。


鉄バクテリアが増えたところで、
生態系にどんな影響があるのか。
鉄バクテリアを食う生き物はいるのか。
そんなところが気になりますね。
気が向いたら調べましょう。原核生物の世界は深いぞー。
posted by 沼 at 22:55| Comment(0) | 生物図鑑 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年02月02日

【図鑑】カンヒザクラ

亀藤です。
沼が雪の風景をUPしてくれたのでそれに対抗して、我が心のハイアイアイ アイランド、沖縄本島のサクラを紹介します。
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内地では桜の季節といえば4月頃ですが、沖縄では2月頃に桜の季節がやってきます。とはいえ、内地の桜ソメイヨシノとは別の桜で、カンヒザクラといいます。桜というよりは梅の花のような雰囲気ですが、沖縄では今頃が桜のピークです。
posted by 亀藤 at 22:23| Comment(2) | 生物図鑑 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年02月01日

【図鑑】冬のナメクジ

雪が降ってきました。
2/1夜8時半現在、積雪3cmくらいでしょうか。

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私は群馬県南東部に住んでいます。
群馬県というと、雪が多いようなイメージをもたれがちなのですが、
私の住んでいるところは埼玉との県境に近く、典型的な関東平野の気候です。雪が積もるのは数年に一度。
雪が降るとテンション上がります。

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ナメクジ!
ここは家の外の洗い場です。毎日、残飯をコンポストに捨てたあと、残飯ホルダーをここで洗います。
10月くらいからほぼ毎晩、ここをナメクジがうろうろしています。11月頃には交尾祭りを開催していました。
残飯の残りかすとか、適度な湿り気とか、遮蔽物の多さとかが、ナメクジにとって嬉しい環境なのでしょうか。

しかしながら、こんな雪の晩にもナメクジが活動しているのには驚きました。寒さ耐性が優れているのでしょうか。
なお、この洗い場でカタツムリを見たことはありません。
ナメクジとカタツムリの棲み分け。これはちょっと面白いかなーと。

(追記)
ナメクジの温度耐性について研究している方がいらっしゃいました。
これとか これ
興味深ぁい!
posted by 沼 at 20:50| Comment(0) | 生物図鑑 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年01月25日

【図鑑】クロボシウミヘビ2

某動物園行きかと思われた先日のクロボシウミヘビですが、紆余曲折を経てウミヘビ研究をしている理学部の修論生にプレゼントすることになりました。そんなクロボシウミヘビの毒牙を撮影したので紹介します。
クロボシウミヘビ牙B.jpg
あんまりよく見えないけど、銀の棒にひっかかっている2本が猛毒の牙です。ウミヘビは死んでいますが、冷凍して殺しただけでまだ毒は有効なので棒で扱っています。こうしてみると1〜2mm程度の小さな牙だということがわかります。2chの『地上最強の猛毒を持つ生物ベスト5を教えれ』スレッドでは
588 :毒蛇解説!:2008/03/08(土) 08:16:17 ID:HfdR06B5
LD50でも筋肉注射・静脈注射・皮下注射・腹腔内投与等で同じ毒蛇でも半致死量も変わります。ベルチャーウミヘビは最強とよく書かれていますが筋肉注射内では4位

1位 Hydrophis melanosoma(Black banded sea snake)この蛇だけは和名が解りません。 学名はクロガシラウミヘビに似ていますが違うようですしコモンネームも ヒロオウミヘビはBlack-banded sea kraitで違うのかなと思います。和名解る方教えてください。
2位 デュボアトゲウミヘビ
3位 クロボシウミヘビ
4位ベルチャーウミヘビ
でした。 その他
皮下注射 ナイリクタイパン
静脈注射 イースタンブラウンスネーク
筋肉注射 コースタルタイパン
がそれぞけ1位でした。後ほどそれぞれ加味した番付を考えたいと思います。
と 海蛇界で第3位にランクインするほどの猛毒とされています。

ウミヘビはコブラ科に分類されるコブラの仲間で、沖縄のハブ(クサリヘビ科)とは全然違う生物です。その毒もハブは出血毒であるのに対し、ウミヘビはコブラと同じ神経毒。出血毒は肉を溶かすだけですが、神経毒は中枢神経を冒し咬んだ相手を麻痺状態、最悪心停止で死に至ります。気をつけねば。
posted by 亀藤 at 16:06| Comment(0) | 生物図鑑 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年01月21日

【図鑑】クロボシウミヘビ

沖縄滞在中の亀藤です。野外調査中、思わぬ収穫があったので更新いたします。生物図鑑第2弾は臨海実験所らしく海の生物、
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クロボシウミヘビ Hydrophis ornatus maresinensis
亀藤がふだんお世話になっている定置網漁で捕獲されたものです。ウミヘビについての知識はなかったのですが、ググってみると日本で最もまれで、最も気が荒いウミヘビとのことでした。

この個体は某動物園の方が標本用に欲しがっているので、そちらに寄贈予定です。
クロボシウミヘビB.jpg
舌をチロチロさせている瞬間を撮影したかったのですがなかなかタイミングが合わず、ただの顔のアップになってしまいました。
posted by 亀藤 at 15:49| Comment(2) | 生物図鑑 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年01月17日

【図鑑】ベッコウマイマイ

亀藤の作業量が飽和状態のため苦肉の策で始まった新コンテンツ一発目はカタツムリの仲間、ベッコウマイマイです。
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ベッコウマイマイ Bekkochlamys perfragilis
沖縄本島北部やんばるの森にて。昨日は気温も低く、また乾燥気味だったため林内散策もほとんど空振り状態だったのですが、ベッコウマイマイはそこそこ出てきてくれました。ウミガメの一種タイマイの甲羅で作られる伝統工芸品『鼈甲(ベッコウ)』のような模様を持つことから命名されたようです。ベッコウ模様のところは外套膜が覆っています。他のカタツムリには見られない特徴で、この外套膜のおかげで殻が破損しても修復までできるとかなんだとか。

目にピントが合ってるのはいいんですが、シャッタースピード優先でまったく絞りを気にしていなかったため、ベッコウ模様がボケてしまっていますね駄目だこりゃ。
posted by 亀藤 at 22:41| Comment(0) | 生物図鑑 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

新コンテンツ『生物図鑑』

亀藤です。同人活動とは何の関係もない自分の本業の調査・研究のため、3月中旬まで沖縄本島に滞在しています。野外調査だなんだ、とあんまり自分の本業に関係ない論文を読んでまとめて紹介する時間が取れません。そこで職員が実際に野外で出会った野生動物を写真で紹介する『生物図鑑』をハイアイアイ臨海実験所の新コンテンツとしてちまちま更新していこうと思います。

もちろんメインコンテンツは論文紹介ですからそちらの更新をしたいのですが、早くも亀藤のキャパが飽和中です…。申し訳ありませんがサブコンテンツの『生物図鑑』もよろしくお願いします。
posted by 亀藤 at 22:27| Comment(0) | 生物図鑑 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする